学友会会長
【連載開始にあたってのご挨拶】学友会会長 廣嵜明博
学友会のホームページの開設にあたって、会員(卒業生及び学院現・旧職員)の皆様方に、このページを活用していただき、皆様の経歴,資格,経験等を通じてお持ちになっている、様々な情報,話題,さらに主催や所属されるグループや会の内容を掲載いただきたいと思います。
そのためのページを用意してあり、本コラムはブログでの連載を予定しております。
かくいう私は、昭和49年に奉職以来学院にて教鞭を取り、46年間食品学と食品加工実習を担当してきました。この間自分の専門分野を確立したいと思い、醸造学の勉強をしましてソムリエ協会のソムリエの資格の取得や、ジャパンワインチャレンジの審査員など務めてきました。この審査員のきっかけは、1990年に姉妹校関係ができた南オーストラリアのアデレードにある、リージェンシーカレッジにワイン醸造の講義・醸造の実際についての研修に半年間行かせていただいたことで、豪州ワイン・ブランデーコーポレーションとの関係ができ招かれたものです。並行して1991年からオーストラリアワインを中心として、ワインセミナーや料理とのマリアージュをレストランにてディナーの会を、卒業生や東京商工会議所のリタイアメントグループの方達を対象にして現在まで開催してきました。
その様な経験から、ワインの基本的知識や様々なワインの特徴味わいなどのお話を掲載させていただこうと思います。
ワインの種類について
第1回目は、ワインの基礎知識編として、ワインの種類についてです。
ワインには、赤ワイン・白ワイン・ロゼワインがあります。これは醸造の方法の違いですが、その味わいにもかかわってきます。
一番基本といいますと、赤ワインですね。赤や黒ブドウを収穫後潰して、皮と一緒に発酵させたものです。一般的には糖分がなくなるまで発酵させますので、辛口ワインとなります。赤い色はブドウの果皮に含まれるアントシアニン(紫色)が、果汁に含まれる酸によって赤く発色します。そして皮や種から溶出するタンニンが渋みを付与します。
✓赤ワインは酸味と渋みが特徴⇒お肉の脂っこさを流してくれる、ということでお肉料理に合います。
白ワインは、収穫したブドウ(赤葡萄でも白ブドウでも)を最初に破砕後圧搾してジュースだけにします。この時にはジュースに色は付きません。色素はほとんどの葡萄には果皮にあります。圧搾後再発酵しますが、糖分を残して発酵を止めますと甘口ワイン、最後まで発酵させますと辛口ワインとなります。デザートワインやテーブルワインですね。
✓白ワインは酸味が中心で、渋味はあまりないワイン⇒お魚料理や、鶏肉料理などに合います。
ロゼワインは、赤ワインと同様に醸造を始めますが、発酵途中で果汁(ワイン)に色がついた段階で圧搾して、果皮や種子を除きます。この圧搾のタイミングで色の薄いロゼや濃いロゼワインができます。味わいも白ワインに近い味わいから、軽い赤ワインに近いワインまで幅広くできますね。
✓ロゼワインは酸味も強いものから、渋みを伴ったものまであり、また甘口から辛口まであります。
赤・白・ロゼの違いをご存じの方も多いと思われますが、ワインの味わいの原点を再認識いただいて、さらに様々なワインのタイプや味わいの違いにご興味を持っていただけると幸いです。
学友会会長
廣嵜明博