野菜の話は奥が深いよね。ところで、今日はどんな話をしようか?
活性酸素も少し理解できました。ところで、最近、ドラッグストアで植物由来のサプリメントが多く売られているのですが、例えばカロテノイドは不足気味なのでしょうか?
いいことに気づいたね、日本人の野菜摂取につき厚生労働省の調査報告があるんだ。「平成30年の野菜類平均摂取量:成人男性で約290g、女性で約270g。特に20~30歳代は男性で約260g、女性で約240gと成人の平均より約30g少ない」 日本の当局も、健康長寿の伸長のためには野菜は欠かせないので、現状の野菜摂取状況については危機感があると思いますよ。 特に米国では国を挙げての食育を行い、野菜も沢山摂取しているんだ。また、サプリメントも浸透していて、不足する栄養素を補っているよ。米国のドラッグストアに入ると、日本以上に沢山のサプリメントが置かれていて、ビックリするんだ。 米国は病気にならないように気を付ける国民性なんだ、と考えられるね。
日本でも高齢化が進んで、1日350gの野菜は食べられない方も多くなってきたんではないですか?
そうだね、アンケートでもサプリメントを摂取しているご高齢の方は多いよね、 マルチビタミンが多いのだけれど、また、カロテノイドでは鮭・甲殻類などに多く含まれるアスタキサンチンや、DHA・EPAなどの魚類に含まれる多価不飽和脂肪酸も人気があるようだね。 高齢者などで食が細くなって、野菜350gや必要な栄養素を摂取することが難しい場合、サプリメントは強い味方と思いますよ。
お話にあるアスタキサンチンは、甲殻類が体内で生成するのですか?
海藻類が生成したカロテノイドで、それを捕食した生物に蓄積されているんだ。 カロテノイドの中でも強い抗酸化作用があると云われているが、鮭などの食品から摂取するのは相当の量が必要とされているよ。
アスタキサンチンとか食物から摂取するのが難しいものはサプリメントのほうが良いと思いますが、あまり沢山のサプリメントをとるのは如何なものかと?
そうだね、サプリメントを必要以上に摂取することで健康に良くない場合もあるので、医療機関と相談の上で取捨選択することも必要ですね。 また、サプリメントが体に合わない場合もあるので、何らかの不調な状態がでたら止めてみることも大事ですよ。
ビタミン類などドラッグストアの薬剤師に相談できるものもあれば、かかりつけ医などに投薬の関係で摂取可能かも相談してゆくものもあるので、サプリメントを上手く活用するうえでは重要になりますね。
そのとおりだね。
次回は、実際の測定とアンケートの分析から、何らかの傾向が判ってきたものを教えてくださいね。
岡部 敬一郎: 食糧学院長寿健康ベターエイジング研究所 所長・理学博士、 (元)東京栄養食糧専門学校校長
中静 隆: 栄養士科81回生、健康長寿ベターエイジング研究所 客員研究員