糖化度のお話し(2)

研究員

糖化度を測定できることは分かったのですが、何を測っているのですか? 

所長

糖化ストレス・マーカーとして注目されている「ペントシジン」という物質で、皮膚直下のコラーゲンに架橋・結合・蓄積している量を計っているのだよ。 

研究員

「ペンと詩人」ですか、優雅な名前ですね! 

所長

いやいや、Pentosidine(ペントシジン)は、数ある糖化最終生成物( AGEs: Advanced Glycation Endoproducts)のなかでも自家蛍光性をもつ分子で、体内のタンパク質と結合し、そのタンパク質を変性させる結果、老化や疾患に関連するAGEsといわれているんだ。 医療現場では採血して計測もできるのだが、ペントシジンの蛍光発生の性質を利用して、皮膚に光を当てて糖化度を計測する機器が開発されてきたのだよ。 

研究員

AGEsの糖化ストレスにより、どんな影響が身体に生じると考えられるのですか? 

研究員

体全体に影響を与えるのですね。難しい単語がいっぱい出てくるのですが、そのうち教えてくださいね、所長! 

所長

連載でも解説はしてゆく予定だけれど、全部は無理です。自分で勉強もしてくださいね。要は、体内のAGEsの産生・蓄積をコントロールして、年齢相当の糖化度になるよう気を付けることかな? 従来は体内で蓄積されたAGEsは体から排出されないと考えられていたんだが、今は、条件に因っては低減することも報告されているんだ。 

研究員

そういえば、糖化度測定イベントの告知や当所の案内等も、学友会HomePageの「イベント情報」に掲載できるようなので、今後、投稿しますね。 

岡部 敬一郎: 食糧学院長寿健康ベターエイジング研究所 所長・理学博士、 (元)東京栄養食糧専門学校校長 
中静 隆: 栄養士科81回生、健康長寿ベターエイジング研究所 客員研究員