活性酸素を聞きたいのだね。まずは、厚生労働省のサイトを見てみましょう。
大気中には、約 20%の酸素が含まれており、生物はこの酸素を利用し生命活動を維持しています。
酸素は、外部からの様々な刺激を受け、反応性の高い活性酸素に変化します。活性酸素は、細胞伝
達物質や免疫機能として働く一方で、過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。そのため生体内には、活性酸素の傷害から生体
を防御する抗酸化防御機構が備わっていますが、活性酸素の産生が抗酸化防御機構を上回った状態
を酸化ストレスといいます。
活性酸素とは
私たちが生命活動を営む上で酸素の利用は必須となります。活性酸素とは、呼吸によって体内に取
り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態になることをいいます。ヒトを含めた哺乳
類では、取り込んだ酸素の数%が活性酸素に変化すると考えられています。活性酸素は、体内の代
謝過程において様々な成分と反応し、過剰になると細胞傷害をもたらします。
活性酸素の役割と作用
活性酸素は、過剰な産生あるいは酸化ストレスによる老化、がん、生活習慣病発症との関連が注目
されがちですが、白血球から産生される活性酸素(スーパーオキシド・過酸化水素など)は、体内
の免疫機能や感染防御の重要な役割を担います。また細胞間のシグナル伝達、排卵、受精、細胞の
分化・アポトーシスなどの生理活性物質としても利用されています。したがって、活性酸素を消去
すれば良いという安易な考え方は禁物です。
*出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)
活性酸素は身体内で有益な働きもあるが、多すぎると酸化ストレスが生じて体に悪い、ということですね。
お酒の飲みすぎと同じかな?
そうだね、適度な活性酸素は必要なんだ。
しかし、生活のなかで激しい運動や日光に当たり続けるなどは、酸化ストレスを生じさせる要因と考えられているので、身体の抗酸化防御機構を適正に保つことが重要なんだ。
身体の抗酸化防御機構を保つには、カロテノイドも寄与ているのですか?
食物から摂取する抗酸化物質には、ポリフェノール類とカロテノイド類、ビタミンC,ビタミン E などがあるんだ。それらは、野菜/かんきつ類などが供給源になっているんだ。どれだけ摂取しているか、十分に摂取しているかは、個々人の体内の酸化還元レベルにより異なっているんだよ。
前回、お話しいただいたベジメータ®で、カロテノイドを測定できるのですね。
カロテノイドについては採血して血液検査ではかることも可能なのだが、どれだけ取れているか簡易的に調べる一つとして指先の皮膚のカロテノイドレベルを光学的に測れる時代となっているんだ。このため、カロテノイドの光学的測定結果と野菜摂取量との相関性が判り、結果として野菜摂取量を推定することが出来るようになったんだ。
測定会場での話ですが、沢山の野菜を食べているのですが、ベジスコアが低い方がいらして、聞くとアスリートの方でした。カロテノイドは運動で発生した活性酸素を消去するために使われてしまった可能性がありますね。
アスリートや屋外で働く方々などへの栄養相談で、カロテノイドを測定できる機器を利用できれば、今より踏み込んだ助言ができると思えるよね。
これからは、野菜を多く食べるようにします!
そうだね、野菜からは、カロテノイドやポリフェノールの他にも、ビタミンAやビタミン C、葉酸などのビタミン類、カルシウムや鉄などのミネラル類、そして食物繊維なども摂取できるんだ。
そういえば、ポリフェノールが赤ワインに含まれていることはよく知っています(^^♪
ですので、よく飲んでいます(^^)
うーん、赤ワインのポリフェノール効果の研究は様々でているので、一概には何とも言えないけれど、、、ワインにはアルコールが含まれるから、ほどほどにね。
お酒も活性酸素も、ほどよく身体にあるのが好ましいのですね!
カロテノイドやポリフェノールは、ファイトケミカルと云われることもあるようですね、時間がありましたら教えてください。
ファイトケミカルは、一般的に健康への影響が確立されていない研究中の植物性化合物を指す言葉なので、言葉が独り歩きしないように気を付けないとね。
まずは、カロテノイドを理解して、その後に説明しようね。
岡部 敬一郎: 食糧学院長寿健康ベターエイジング研究所 所長・理学博士、 (元)東京栄養食糧専門学校校長
中静 隆: 栄養士科81回生、健康長寿ベターエイジング研究所 客員研究員