研究員
ところで、メイラード反応はなんとなく理解できたのですが、AGEs(糖化最終生成物)は身体でどの様に生成されてゆくのですか?
所長
AGEsを生成するのは体内の化学反応によるものだが、個人差も大きく、また、生活習慣も個人によって異なるから、これが正解!というものは今のところないんだ。しかし、次の表にあるように、一連の流れは分かってきているよ。
所長
タンパク質と糖が単純に結合しただけでは分離するケースもあり、AGEsとは云わないんだ。たとえば、高齢者であると聞き覚えのある「ヘモグロビンA1C(HbA1c)」は初期の糖化産物としてアマドリ化合物といい、AGEs(糖化最終生成物)とは云わないんだ。
研究員
血液中のHbA1cの値が高いと糖尿病なんですよね。糖化が進んでAGEsになる前に、HbA1cで糖尿病になるのですか?
所長
統計上、HbA1cが高いと糖尿病になっている方が多いため、健康診断で採用されている指標なんだ。HbA1cは赤血球に存在していて、約3カ月で赤血球の寿命がくるので、一緒に体内でHbA1cも分解されるんだ。 これに対して、AGEsは一般的には不可逆的で生成されたら体内で代謝・分解されるのは難しい。しかし、最近は代謝されるケースの報告も出てきているんだ。
研究員
AGEsが分解されて体内から出ていくように、研究が進むといいですね。
所長
それでは、研究員として、調査・研究を行わないといけないよ(^^♪
岡部 敬一郎: 食糧学院長寿健康ベターエイジング研究所 所長・理学博士、 (元)東京栄養食糧専門学校校長
中静 隆: 栄養士科81回生、健康長寿ベターエイジング研究所 客員研究員